「コロナ禍で差別意識の表面化を考える」GAUDETE 2020年11月号(本紙第58号)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 部門 / 推進本部事務局

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最終更新日:2020年11月19日

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※本稿で述べている見解は、筆者個人のものであり、筆者が属する組織を代表するものではありません。

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コロナ禍で差別意識の表面化を考える

先日、カトリック部落差別人権委員会の全国担当者会議がzoom会議で行なわれました。

最初に「感染症と人権」-IHV陽性者の視点から-と題して、講師:高久陽介さん(NPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス代表理事)による講演がありました。

感染症の正しい理解が感染拡大を防ぎ、感染症に対する偏見が感染を拡大すると言われたことが印象に残っています。

会議に先立って次のような質問が来ました。

  1. 「コロナ禍」によって、あなたの生活で何か変化したことや困ったことがありますか。
  2. 日本の社会の動き、政府や自治体の対応、メディアの報道などについて感じたこと、考えたことがありますか。
  3. 世界全体について、あるいはアジア近隣の諸国について感じたこと、考えたことがありますか。
  4. あなたの属する教会、教区では、どのような取り組みがされましたか。それについて、何か感じたこと、考えたことなどがありますか。
  5. 今回、様々な差別が発生しています。それについて見聞きしたこと、感じたこと、考えたことがありますか。
  6. その他 上記以外のことについて自由にお書きください。

皆さんも考えてみてください。

5番目の質問に対する答えを少し皆さんにも紹介してみたいと思います。

久しぶりに友人と出会っておしゃべりした時、娘さんの友人の近くの方がコロナになった事がわかり、急 に、近所の人達はその家の人達を避けてはじめ、知らない間に引っ越して行ったとか。 コロナになったら大変や、気を付けないと。ヒソヒソ話になってしまった。

私は年金生活者なので外部との交流が少ないので直接コロナによる差別は目にしませんが、先日の朝ミサの時、一見浮浪者風の男性が教会にやってきて神父さんに会いたいとの申出。信者仲間の話では、しばしば無心に来訪しているとのことで迷惑そう。事情はどうであれ人権を大事にして対応したいと思っています。

コロナの恐怖は、ハンセン病にとても似ている。(もっともっとひどかっただろう 回復しても出られ ない。)本人も家族も苦しんだと思う自分や自分の家族を守るという 1 点に集中してしまい、相手のことはお構いなしになってしまう人間の冷たさたまたま病気になった、たまたま… それが自分かもと思うと感じ方も変わるのではなかろうか特に人の命を救おうと最前線で頑張っている医療従事者への偏見というのは前近代的な発想だと思う。また、日常で親しい人の中にあっても迂闊に体調不良などを口にしにくいということにも違和感を感じる。

ある信者の娘さんが帰郷しているうちに新型コロナウィルス感染の問題が大きくなり、東京へ戻れなくなった。その娘さんが子供を連れて公園に行った時、他の人たちから、来るなと言われて、仕方なく家に戻った。

県外ナンバーの車に対する異常な警戒。ある県で最初か、2 番目に感染した人は、そのことで自殺をしたと聞いた。病気そのものに対する恐れより、それによる非難を恐れている。

若いベトナム人に対する警察による職務質問が多くなってきていると聞いた。

日本社会が対外的に開かれるようになってきたとよく言われるが、実は根本的な点で排他的である。

感染が広がるにつれ、社会も個人も自己閉鎖、自己防衛的になり、そのような中で普段閉じ込めていた 様々な差別心性が静かに広がってきている。

外国籍、特にアジア系の人々への差別は、目にあまるものがあります。子どもに対しても「国に帰れ」とどなり、こわくて外に出られなくなっている小学生もいます。これはコロナ禍で、 普段からの差別意識が表面化した例ではないかと思います。この差別の根を根絶することは難しいとは思いますが、私たちが取り組んで行くはずの問題だと思います。 また、感染者やその家族に対する差別も、目にしました。感染した高校生が、回復後も学校で差別やいじめを受け、学校をやめてしまった例もあります。また感染者の家族で、PCR 検査で陰性で 2 週間の隔離期間が済んでも、幼稚園や学校で、子どもを休ませるようにという指示を出していました。差別とたたかうためには、正しい知識をもって正しく恐れることが必要だ と思われます。

電車に乗っていたりする時、咳をしている人やマスクをしていない人を自然に避けている自分がいて、コロナウィルスがどれほどの感染力か、わからないままマスコミ報道に洗脳されているな、と思っています。

家族に医療従事者がいるので、もし感染したらどんなバッシングが起こるかビクビクしていました。 感染者の自宅に対しての嫌がらせなどを聞くと、コロナウィルスよりも怖いことが起こっている状況ではないかと、人間が一番怖いと思っています。

特別な状況下になると、差別の意識は異なる姿で鎌首をもたげてくるのだと感じています。

コロナにかかることそのものが悪とされ、その家族なども差別されることもあるのが悲しいと感じます。 SNS が発達しているのは良いことでもあるが、情報が一気に拡散される恐れもあると気づかされています。

(平和の使徒推進本部長 野中泉神父)

教区代表者会議に向けての展望⑤

来年の教区代表者会議に向けて以下の「分科会テーマ【素案】」が提示されました。

※それを形づくったアンケートからのキーワードも併せて示されています。

教区代表者会議分科会テーマ【素案】

1.新しい福音宣教(新しい様式)

①祈りと活動を通して、みんなでともに喜びをもって福音を伝えよう

②新しい体制、取り組み、様式を具体化して、福音宣教を推進しよう

2.平 和

③身近な平和から社会(世界)の平和を実現する「平和の使徒」となろう

④教会から離れている人とのきずなを大切にし、その想いを聴こう

3.多文化共生

⑤言葉や文化の違いを受け入れ、互いに理解し合い、協力しよう

⑥教会に集うすべての人が、温かさを感じる「神の家族」を目指そう

4.協 働

⑦様々な課題を共有して、ともに考え、助け合い、一緒に乗り越えよう

⑧互いの違い(差)を受け入れ、互いの思いを伝え合い、協働しよう

5.養 成

⑨互い(司祭、修道者、信徒)の召命をともにはぐくみ、支え合おう

⑩互いの生涯養成やリーダー養成を通して、次世代へ信仰を継承しよう

1.分科会テーマ【素案】の3つの枠組み

提示した分科会テーマ【素案】は、次の3つの枠組みを基本に作成しています。

①過去の教区全体の課題を振り返り、今後、教区全体で取り組んでいく課題に関すること

②今回、実施されたアンケートの集計・分析結果から抽出された課題に関すること

③分科会テーマ【素案】は、背景にある諸問題にも、目を向けたものであること。要するに「教区全体で取り組む課題」であること。「アンケート結果から抽出された課題」であること。「背景にある諸問題にも、目を向けたもの」であることです。

2.分科会テーマ【素案】検討にあたり重点を置いたこと

⑴教区創立100周年に向けて「喜びをもって」新しい福音宣教へのチャレンジを推し進めていくため、教会の根本的な3重の使命(預言職、祭司職、王職)を基本とする。

⑵これまでの教区のあゆみの中で示された「平和」「きょうどう」「養成」「多文化共生」の4つの実践を大切にする。

⑶新たな視点を加え、アンケート結果から抽出されたキーワードを「新しい福音宣教」「平和」「協働」「養成」「多文化共生」の5つにカテゴリー分類し、広島教区の推進テーマとする。

3.分科会テーマの重要性

教区代表者会議の開催までの期間、まず、教会内で分科会テーマについて話し合われること(分かち合いも含む)が重要になります。

⑴教区代表者会議は分科会に分かれ、各分科会テーマ毎に小グループで話し合われます。したがって、テーマとその提言が重要な内容になります。

⑵今後、分科会テーマを中心にした小教区での分かち合い、議論を行っていただき、地区を通じて教区代表者会議実行委員会にお知らせ頂くことで、皆さんからの意見が教区代表者会議に反映されます。

⑶小教区で話し合われた結果が反映されることにより、より望ましい教区の優先課題、方向性が定まります。

⑷話し合いにより、テーマがより明確になるとともに、教会内での理解が深まり、教会の方向性と教区の方向性が連動します。

「分科会テーマ」は教区代表者会議の中心に位置づけられるものです。

提案されたこの【素案】について、現実に皆さんが直面している課題、問題と関連付け、根本的なところから考えていただき、私たちが教区代表者会議の場で話し合うテーマを検討いただきたいと考えています。

資料は2020教区代表者会議「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」特設ページからダウンロードできます。

2020教区代表者会議「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」特設ページ

<次号に続く>

(文責:2020教区代表者会議準備事務局 小松敬)

平和のために働く人々は「神の子と呼ばれる」(マタイ5・9参照)――「核兵器禁止条約」発効へ

核兵器の禁止に関する条約(核兵器禁止条約,Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons : TPNW)(1)が、中米にあるホンジュラス共和国の批准(批准日:2020年10月24日)により条約発効に必要な批准国数50カ国を達成し、2021年1月22日に発効することが確定した。軍縮・核兵器に関する核兵器禁止条約は、2017年7月7日に国連総会で採択されてから、3年半で発効することになった。

この条約(暫定訳:外務省)(2)は、前文と20条の条文で構成されている。前文では、「……あらゆる核兵器の使用から生ずる壊滅的で非人道的な結末を深く憂慮し、……核兵器を完全に廃絶することが必要であること、……核兵器が継続して存在することがもたらす……危険がすべての人類の安全に関わること……核兵器の壊滅的な結末は、……国境を越え、人類の生存、環境、社会経済開発、世界経済、食料安全保障並びに現在及び将来の世代の健康に重大な影響を及ぼ[すこと]……核兵器の使用の被害者(被爆者)[や]……核兵器の実験により影響を受けた者の受けた容認し難い苦しみに留意し、……核兵器の全面的な廃絶の……公共の良心の役割[のために]……国際連合、国際赤十字、赤新月運動、その他国際的な及び地域的な機関、非政府機関、宗教指導者、議会の議員、学者並びに被爆者がおこなっている努力を認識して」協定した条約であることが示されている。

カトリック教会では、「平和のために働く人々は『神の子と呼ばれる』(マタイ5・9)と宣言する福音のメッセージは、人類の崇高な努力と期待に沿うものとして現代に新たな光を輝かすのである」(3)と教えている。この教えには「すべての人が新たに回心して真の平和を求めないかぎり」(4)とも付け加えられている。「隣人に対する愛から生まれる地上の平和」(5)を実現するため、「隣人の生活と、それを人間にふさわしいものとして維持するために必要な手段について考慮すべきである」(6)とも教えている。これらの教えにもとづく人道的視点から核兵器廃絶の実現を目指すひとつの道を広島教区の皆さんと一緒に考えていきたいと思う。

※[]…著者追記

「思い起こし、ともに歩み、残すこと。」GAUDETE 2020年02月号(本紙第54号)

「核兵器のない世界を求めて」GAUDETE 2020年09月号(本紙第57号)

(文責:平和の使徒推進本部事務局 竹内秀晃)

参考文献

(1) 国際連合「核兵器禁止条約」ページ https://treaties.un.org/pages/ViewDetails.aspx?src=TREATY&mtdsg_no=XXVI-9&chapter=26&clang=_en

(2) 外務省暫定訳 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000433139.pdf

(3) 第二バチカン公会議『現代世界憲章』77

(4) 同上

(5) 同上

(6) 同27

2020年11月28日(土)11:00~ シルベスタ助祭 司祭叙階ミサ

当日は、平和の使徒推進本部YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC3buV09CpLI_seOpDHB0MTg/)でLive配信の予定です。新司祭のために一緒にお祈りください。

11月24日(火)教皇フランシスコ来広一周年記念ミサ16:00(カテドラル)

こちらは、Live配信について未定です。配信希望がある場合、平和の使徒推進本部までご連絡ください。

配信希望多数の場合、配信も検討いたします。

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掲載日2020年11月5日
更新日2020年11月19日
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