「祝福を通して、深い喜びが湧いてくる」GAUDETE 2019年06月号(本紙第49号)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 部門 / 推進本部事務局

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最終更新日:2019年6月23日

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祝福を通して、深い喜びが湧いてくる

白浜司教右隣がソン・サムソク司教様

「主が望まれることは何か。」「どの道を歩めばいいのか。」悩むことは多いですが、その答えは祝福の中にあるように思います。祝福を通して、深い喜びが湧いてくる体験を通して、神様はゴーサインを与えてくださると思います。

私が最近経験した祝福を二つわかちあわせてください。5月の終わりに北九州のカトリック労働者のグループを引率して沖縄を訪ねました。今までこつこつと積み上げてきた沖縄の方々への繋がりの中に本土の仲間たちが出会いを通し、神様の網(ネットワーク)へと招かれ、広がっていく素晴らしい時間でした。二日目の晩は読谷村のうたごえペンション「まーみなー」に宿泊し、8月の平和行事で公演をしてくださる会沢芽美さんの沖縄の痛みの歴史についての歌を聴く時間を過ごしました。その前に時間の余裕があったので、残波岬で夕日を眺める時間をとりました。東アジアをのぞむ大海に沈んでいく夕日を岬の最先端に立ち、柔らかい光をからだじゅうに浴びながら、感謝の祈りを捧げる時間でした。「これでよい」と主が言ってくれているようでした。

6月4日、釜山教区のソン・サムソク教区長の着座式が行われました。釜山教区の活動を知り、連帯を深めていくための道を模索している平和の使徒推進本部としては、繋がりをつくるためのまたとないチャンスです。白浜司教さまにお願いし、シスター古屋敷と私も訪問団に加えていただきました。カテドラルで挙げられた式は、参列したものすごい数の信徒、司祭団、司教たちの、新教区長誕生への心からの喜びが溢れるものでした。何よりありがたかったのは、ソン司教さまが、広島から訪問した私たちを、親戚だけを招いた夕食会に呼んでくださったことです。気のおけない仲間と疲れを癒したいであろうに、私たちを隣の席に招いてくださいました。家族として歓迎したいという司教さまの温かい心が伝わってくる時間でした。司教さまのお父様は、戦前に日本に連れてこられ、山口駅の近くに住んでいたこともある、という広島教区との縁を感じさせられる話もしてくださり、これから釜山教区と広島教区の青年たちの交流が盛んになればよいという希望を分かちあってくださいました。司教さまが私たちに示してくださった温かさの祝福を通して、釜山教区と繋がっていきなさいというメッセージをくださっているように思います。

信徒の皆さん一人一人が、呼びかけにこたえながら歩んでいく道で与えられる祝福をわかちあい、それを紡いでいく中に、広島教区の踏み出していく未来が示されているように思います。祝福を数え、その中にともしびを探していく心と魂を私たちが培っていくことができますように。

(平和の使徒推進本部アドバイザー 中井淳神父)

現代世界における課題を見る目を養うために(福音の喜び第二章 Ⅰを読んで)

先日、川崎市の無差別殺傷事件や中央省庁の事務次官まで務めた元官僚が自分の息子を殺すという痛ましい事件が起きました。

事件の被害者、加害者に対して、色々な思いや意見があるとは思います。しかし、その事件そのものを見るのではなく、もっと根本的な原因をキリスト者としての目で見る必要があるのではないでしょうか(福音の喜び50参照)。そのための目を養うために私たちは何を基礎にすればよいでしょうか?

現代の日本で生活している大半の人は、競争する社会の中の強い精神的圧迫のかかる中で生きています。日本の基本的な生活環境は物質・技術やサービスなどが飛躍的に躍進し便利で快適な生活ができるようになっています。例えば、24時間開いているコンビニ、いつでもつながる電話やインターネット、いつでも商品注文ができるオンラインショップ、その商品を翌日には配送する宅配便などさまざまなものが便利になり生活の質の向上に寄与しています。

そのため、品物の大量生産、品質のよい商品の製造、過剰ともいえるサービスや少しでも利益を上げるために労働者をはじめとする人間は、ますます過酷な状態においこまれている現状があります。24時間サービスを提供するのであれば、深夜に働く人も必要でしょうし、経済が成熟している日本では右肩上がりの経済からフラットもしくは右肩下がりの経済の中でいかに大量生産し、しかもある一定の品質をもって、さらに利益を上げるのかという問題からコストダウン、機械化・効率化、損失を少なくするために低賃金での労働を強いられたり、外国人労働者に職場を奪われたり、労働市場のミスマッチや経営者からの強いプレッシャーやストレスのある労働環境があるといった状況が起きているのではないでしょうか。

教皇フランシスコは「福音の喜び」の中でこのような現状を「現代世界における課題」(第二章 Ⅰ)として取り上げています。

  • 排他的な経済のこと。例えば、貧困化する人や家庭があるにもかかわらず一方では過剰なサービスとして賞味期限がきた食料は販売せず大量に廃棄しているという現状のこと(同53)
  • 貨幣という新しい偶像崇拝のこと。例えば、いわゆる勝ち組になって、ほかの人より多く賃金をもらえる仕事、企業、役職(競争して昇進)など貨幣を基準としたかのような考えを持つ人が増えていること(同55)
  • またその貨幣を基準とすることにより、格差が生まれ暴力を生んでいること。例えば、川崎市の無差別殺傷事件や自分自身への暴力としての自殺などは、職に就けないこと、職場でのプレーシャーや低賃金による貧困化などで競争社会から疎外された人のいわゆる勝ち組と負け組との格差に起因する暴力のこと(同59)

を指しています。

現代社会でのこのような課題を課題として認識するためには、私たちキリスト者は社会の事象をキリストの目をもって、現状を見つめ(表面的なことばかりではなく、その現状の背景まで見る)、キリストの心をもって、現状を分析や識別する必要があります。

そして、現状を認識したのち、キリストの働きによって、現状を打開するための行動をキリスト者的に起こす必要があります(福音を伝える使命、隣人に使える使命を全うする)。宣教といってカトリックの教義を他人へ教えることをいうのではなく、キリストの教えにしたがった行動を起こすことです(隣人愛をもって行動すること)。

キリストを倣うものとして、キリストの目(神の目)のものの見方、識別、行動するために、キリストはどういったときにどのような行動なさったか、聖書をよく理解しなければなりません。そのためには聖書をよく読むことが必要です。幸い広島教区は今、聖書通読や聖書書き写しを奨励しています。また、キリストに倣って私たちが行動するためには、キリストとの会話が大事になると思います。一生懸命の祈り、祈ることによる霊性のたかまりが必要です。

そういう筆者も聖書をあまり読んでいないし、祈りも少ないと感じています。でも幸いに教会敷地内が職場なので出勤時の聖体訪問での主の祈り・アヴェ・マリアの祈り・栄唱、始業前に毎日のミサの音読、始業の祈り(初めの祈り)、昼休憩時のお告げの祈り(昼)、食前食後の祈りを続けていこうと思います。さらに家で忘れがちな(忘れている!)目覚めたときの祈りと床につく時の祈りやロザリオの祈りができればなお良いと思っています。が、自分の意志だけでは弱いので、ここで聖霊の助けをもとめ、「聖霊来てください。あなたの光のかがやきでわたしたちを照らしてください・・・信じる者の心をみたす光よ、あなたの助けがなければ、すべてははかなく消えてゆき、だれも清く生きてはゆけ(ません)」(聖霊の続唱)と祈ってみよう。

(平和の使徒推進本部事務局スタッフ 竹内 秀晃)

司教区昇格60年

今年の6月30日は広島教区が司教区昇格から60年の年です。

6月30日の年間第13主日のミサの中の共同祈願で中国地方に神の民の一部分として司教区を与えて下さった神に感謝を表明してみてはいかがですか?

1923年5月4日

広島使徒座代理区設立(大阪司教区より分離)

1959年6月30日

広島司教区へ昇格

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掲載日2019年6月23日
更新日2019年6月23日
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