司教メッセージ「福者祭百寿までにと風光る」(広島教区報93号)

カテゴリー(記事区分): 公文書 / 広島司教区文書 / 司教教書

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最終更新日:2013年7月27日

乙女峠まつり

カトリック広島司教区長 前田 万葉 司教

五月三日、「信仰年・広島教区創立九十周年記念乙女峠まつり」が島根県・津和野町の乙女峠で盛大に行われました。前夜祭での林尚志神父様の記念講演会は、「津和野には愛と平和と人権を信じて叫ぶ殉教者あり」と詠ませていただく内容でした。そして私は、翌日の本祭で、「卒寿から百寿までにと広島は乙女峠の福者祭立つ」と宣言する勇気をいただきました。つまり、信仰年と教区創立九十周年を機に、乙女峠の殉教者たちの列聖運動を正式に始める。そして、百周年までに少なくとも列福を実現させる。そのための教区の新しい確かな出立の日だと呼びかけたかったからです。当地に建つ「信仰の光」碑に同調するかのように、風まで光って列福を後押ししているかのように感じました。「福者祭百寿までにと風光る」。

五月三日は三千人近い参加者と、三体のマリア様(地元・津和野のマリア様、ポルトガル・ファチマからドイツ、韓国を回ってきたマリア様、それに長崎・浦上の被爆マリア様)の行列で始まりました。「アベマリア響く津和野路乙女祭」。「武器に代えマリア像担ぐ五月かな」。特に、殉教者たちの故郷・浦上教会の子どもたちが、しかも被爆マリア像を担いでの初参加は、列福運動と平和の使徒を目標とする広島教区民を勇気づけました。行列は、乙女峠にさしかかり、萌えるような若葉の中、マリア様もさすがに嬉しそうでした。「マリア笑む乙女峠や五月晴れ」。やがてミサが始まり、殉教者との天上の宴のような、マリア様の懐にかくまわれているような聖なる時空を感じました。「若葉萌え乙女峠はミサの中」。

このミサの中で、殉教者列福はもちろん、司祭・修道者召命(五人から十人の司祭誕生など)、青少年育成(予備神学校設立や教区共通養成テキスト作成も含む)の十年計画目標の達成を祈願いたしました。このような、信仰、希望、愛を百周年(百寿)に向け、引き継ぎ、伝えましょう。当日の乙女峠まつりや信仰年の幟、そして各教会各教区の幟が同調してくれているかのようでした。「乙女峠まつりの幟引き継ごう」。