教皇来広二十周年記念

カテゴリー(記事区分): 公文書 / 広島司教区文書 / 司教教書

キーワード(索引語): 

   
  教皇来広二十周年記念をはてなブックマークに追加     LINEで送る  

今年は、「平和の巡礼者」ヨハネ・パウロ二世が、広島の平和記念公園から全世界に向けて「平和アピール」を宣言されて二十周年にあたります。

「ヒロシマを考えることは、平和に対して責任を担うことです」という教皇の呼びかけを受けとめ、広島教区は二十年間、2月と8月に平和行事を続けてきました。

被爆五十周年の1995年を「平和年」とし、平和のために働くことは広島教区の召命であり、「平和の使徒」になることが、教区民の使命であることを確認しました。

大聖年の2000年8月6日、アジアの教会との和解と連帯のしるしとして、インファンタ(フィリピン)・釜山(韓国)・広島(日本)三教区姉妹縁組の調印式が行われました。これは「平和年」の美しい貴重な実りでした。

新しい世紀の最初の年にあたって、わたしは、広島教区のみなさんとともに、「平和の使徒」となる決意を新たにしたいと思います。

[主イエスに派遣された者]

「行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。」「財布も袋も履物も持って行くな。」「どこかの家に入ったら、まず『この家に平和があるように』と言いなさい。」(ルカ10・3~5)

神の国の福音の宣教者イエス・キリストが、御自分が行くつもりのすべての町や村に、弟子たちを派遣した時のことばです。

わたしたちキリスト者は、イエスの弟子となるよう呼びかけられ、一人ひとりが、それぞれの場に宣教師として派遣されています。

それは、まず「平和」を告げるためです。

「イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」」(ヨハネ20・19~22)

復活した主イエス・キリストが、最初に弟子たちと出会った場面です。

イエスの弟子たちのようにキリスト者は、主イエス・キリストに与えられた「平和」と主イエス・キリストに出会った喜びに満たされているのです。

[信徒の使徒職・奉仕職]

わたしは、ヨハネ・パウロ二世のことばを思いおこしながら、信徒が「洗礼」のお恵みをより豊かに生きるよう勧めます。

「すべてのキリスト者が、洗礼によって与えられた特別な尊厳を意識することは非常に重要です。」(ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『信徒の召命と使命』64)

「信徒はまさに教会の一員だという理由で、福音を告げ知らせる召命をもっています。」(同上33)

「世界の救いのための教会の使命は、叙階の秘跡を受けた奉仕者によってだけではなく、すべての信徒によっても実現されます。実際、洗礼を受けている者としての独自の召命によって、信徒はそれぞれの分に応じて、キリストの祭司、預言者、王としての使命に参与します。」(同上23)

現代社会にあって、祭司、預言者、王としての生き方を追求し、秘跡を通して与えられた恵みが、豊かに実を結ぶよう努力しましょう。

[平和を実現する人々]

ヨハネ・パウロ二世は、広島と長崎を「戦争こそ平和な世界を築こうとする人間の努力を、一切、無にするものだということを、後世の人々に警告し続ける現代に、またとない都市として、永久にその名をとどめることでしょう。」と、位置づけられました。

人類が自滅する可能性を示した最初の被爆地、広島には、特別な使命があります。

「信徒は、暴力と戦争、拷問とテロリズム、強制収容所、軍国主義化、軍備競争、核威嚇といった平和を否定したり危うくすることがらを前にして、無関心であったり、第三者的な傍観者ではありえません。反対に『平和の君』(イザヤ9・5)『わたしたちの平和』(エフェソ2・14)であるイエス・キリストの弟子として、信徒は『平和を実現する人々』(マタイ5・9)としての任務を担わなければなりません。」(ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『信徒の召命と使命』42)

「教科書問題」に象徴される誤った歴史観や国家主義、憲法第九条、国内の軍事基地の75%が集中している沖縄、環境・エネルギー問題、学校教育、子どもと青少年をめぐるいのちの問題、科学技術・生命科学の進歩など、毎日の生活の中で、傍観者として無関心であるのではなく、積極的に取り組んでいく責任があります。

ヨハネ・パウロ二世の『平和アピール』と日本カトリック司教団の21世紀へのメッセージ『いのちへのまなざし』を学んで、具体的な行動をおこしましょう。

[結 び]

最後に、1995年広島教区平和年司教教書のことばをもって、結びとします。

「わたしたちの日々の小さな積み重ねが、平和の輪を少しずつ広げていきます。それが戦争という大きな過ちを、二度と繰り返さないことへつながっていきます。」

2001年8月 原爆記念日

広島教区司教 ヨゼフ 三末 篤實

参考文献

『聖書 新共同訳』

  • (c)共同訳聖書実行委員会 Executive Committee of The Common Bible Translation
  • (c)日本聖書協会 Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988

『使徒的勧告 信徒の召命と使命』

  • 教皇ヨハネ・パウロ二世 著,小田武彦・門脇輝夫 訳,カトリック中央協議会 発行

備考

  • 2013年3月12日旧ホームページより転載


 

   
  教皇来広二十周年記念をはてなブックマークに追加     LINEで送る  

文書(ページ)情報

掲載日2013年3月12日
更新日2013年3月16日
閲覧回数1,070 Views
推進・区分司教教書
タグ(索引語)
編集者事務局員(F)
次の記事
前の記事
年間テーマチャレンジ 新しい福音宣教 ~わたしをお使いください~ -家庭へのチャレンジ-

教区行事PR