12月1日 L.カンガス神父(祇園カトリック教会,2013年12月2日確認)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和

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最終更新日:2013年12月2日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「12月1日 L.カンガス神父」が更新されました。

説教本文

カンガス神父さまのお話

山口教会にいる私たち司祭は、毎朝、12~13キロ離れたカルメル会の修道院でミサを捧げます。修道院は山口教会の東にあります。ですからこの時期になると、天気のよい朝には、修道院に向かう道すがら、山々が朝の太陽で美しく輝き始める様子を見ることができます。夜の寂しさ、暗さ、寒さが終わり、美しい、輝かしい朝がやってくる。ちょうど今日、待降節を迎えた私たちも、そんな気持ちを抱くでしょう。ちょうどトンネルの入口にさしかった時のように、暗闇の向こうに必ず光がある、夜明けが待っているという期待に胸を膨らませます。

待降節は、心の準備の時です。今日の福音でも、イエスさまは「あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時にやって来る」と言われました。しかしそれは、決して恐れることではありません。トンネルの入口には、父である神さまが独り子を遣わして下さいます。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3:16)のです。私たちは待降節の間、「待つ」と同時に「待たれて」いるのです。きれいな心を持って、イエスさまをお迎えできるよう準備しましょう。

先週、信仰年が終わりました。新たな年を迎えるにあたり、昨年1年間を通して与えられた恵みを思い、それをどう理解するのか、考えてみましょう。私が幼かった頃、家の近くにバラハスという空港がありました。そこから飛び立つ飛行機は、1000メートルほど上空まで上がると、どちらに向けて飛ぶのか、方向を定めます。私たちも、待降節の最初の主日である今日、新たな1年を送るために、方向を定める、新たな年のための準備をしましょう。

何よりも大切なのは、期待と喜びを持って歩むことです。教皇フランシスコは11月26日、「Evangelii gaudium(福音の喜び)」という回勅を出されました。200ページにも及ぶこの回勅の中で教皇が強調しておられるのは、「喜びを持って、イエスさまの素晴らしいメッセージを伝える」ことです。

待降節は、ラテン語で「adventus」と言います。adは「~へ」、ventusは「来る」の過去分詞。つまり「(イエスさまが私たちのもと)へやって来られた」という意味です。幼稚園でお迎えを待つ子どもたちの中には、お母さんの顔を見ると、胸がいっぱいになって泣き出す子がいます。そんな子どもたちと同じ心で、大きな喜びを持って、イエスさまを待つ。と同時に私たちを待っておられるイエスさまを迎えに行く。これが待降節です。

今、世界には70億人の人が生きています。そのすべての人に共通することの一つは、誰もが幸せになりたい、ということです。私たちは幸せな心で、教会の外に向けて、イエスさまのことを喜びをもって伝えていきましょう。今日の福音朗読でイエスさまは、「二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。二人の女が臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される」と言われました。連れて行かれる者と残される者を分つものは何でしょう。それは「心」です。イエスさまは病気を癒し、罪を赦し、福音の喜びを示されました。そのイエスさまの心を、私たちも持つようにと、教皇フランシスコは、先にご紹介した回勅の中で述べておられます。

私が始めて祗園教会に来たのは60年ほど前のことです。その頃は、現在、談話室になっている建物の二階に聖堂がありました。その聖堂で、当時の主任司祭、ラウレス神父さまはごミサで30分説教されていました。それに比べたら、(短い説教を聞ける)皆さんは、とても幸せです(笑)。でも60年前も今も、信じる「心」は同じです。聖書を読んで、キリストと出会い、キリストと共に生きる。キリストの心を持って、新しい年に出発しましょう。

また、これまで祗園教会を支え、導いて下さった多くの司祭、信徒の方々に感謝し、先輩方の心を受け継ぎ、次の世代に伝えていきましょう。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

本文中に「回勅(The Encyclical)」と表記されていますが、正しくは「ローマ教皇使徒的勧告(The Apostolic Exhortation)」です。原文のまま転載しています。

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