「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」GAUDETE 2021年12月号(本紙第62号)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 部門 / 推進本部事務局

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最終更新日:2021年12月30日

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※本稿で述べている見解は、筆者個人のものであり、筆者が属する組織を代表するものではありません。

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いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ

 いま広島平和大通りの木々が色づき、広島市内ならではの光景をなしています。聞くところによると、原爆投下後の広島では少なくても100年は植物が育たないだろうといわれていたそうです。そんな状況の中、各地から様々な種類の木々が持ち込まれ、新しく整備された平和大通りや川沿いに植栽されたそうです。いま大きく生長したそれらの木々が赤や黄色に紅葉し、思い思いに秋を楽しんでいるかのようです。みんなちがってみんないい、金子みすゞの言葉ですが、まさにそんな広島市内ならではの紅葉が私たちの目を和ませてくれています。

 多くの大都市の大通りには整然と街路樹が植えられ、美しい景観が人々の目を楽しませています。銀杏の大木や欅の大木、プラタナスの大木が整然と並んでいる大通りの景観も美しいものですが、様々な木々が雑然と緑地帯に植えられて、春には美しい新緑を見せ、夏には厳しい日差しを和らげ、秋には個性ある紅葉を楽しませてくれる平和大通りの四季の光景も味わい深いものがあります。

 ところで、今年も待降節が近づいてきました。今年は11月28日の待降節第一主日の前晩から待降節に入ります。

 待降節は12月16日までの前半と、17日から24日までの後半に分かれています。前半ではイエス様の再臨(再びこの世に来られること)への期待が込められた祈願文や朗読個所が典礼に採用され、後半では約2000年前にイエス様がこの世に誕生されたことの意味を再認識するための祈願文や朗読個所が典礼に採用されています。

 「毎日のミサ」をお持ちの方は日ごとの箇所を読みながら、持たれていない方は日曜日ごとに配布される「聖書と典礼」の裏面に書かれている毎日の朗読個所を参考にしながら、降誕祭へ向けての機運を高め、良い降誕祭迎えててくださればと思います。

 イエス様がお生まれなった時に主の天使が羊飼いに現れ、「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」と告げています。またそれに加わった天使の大軍が神を賛美して、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と言ったとルカの福音書には書かれています(ルカ2章10~11節、13~14節)。救い主イエス様の誕生は世界中の人の喜びであり、世界に平和をもたらすためでした。

 私たちが平和を構築するためには、こだわりを捨てて多くの困難を乗り越え、人種や国境を越えて人々が互いに尊重し合い助け合い、手を取り合って未来に向かって歩調を合わせて歩み、共に成長していく必要があります。様々な種類の木々が大きく生長し、通りゆく人々の目を和ましてくれている広島平和大通りの木々に、イエス様の誕生の意味と世界平和への今後の歩みを重ね合わせて眺めているこの頃です。

(平和の使徒推進本部長 瀧井英昭神父)

【お断り】この原稿は待降節前に書かれたものです。紙面発行が遅れたことをお詫びします。

主のご降誕、おめでとうございます

世代間対話、教育、就労――恒久的平和を築く道具として(第55回「世界平和の日」教皇メッセージ)

 教皇フランシスコは、世界平和の日(1月1日)メッセージを発表しました。全文は「世代間対話、教育、就労――恒久的平和を築く道具として(第55回「世界平和の日」教皇メッセージ)」(カトリック中央協議会ホームページ)を参照ください。

世界シノドスへの参与(質問回答)について

 教皇フランシスコは、2023 年 10 ⽉に「ともに歩む教会のためー交わり、参加、そして宣教」というテーマで、世界代表司教会議(世界シノドス)第 16 回通常総会を開催することを宣⾔し、その準備段階で、世界のすべての教区の参加を願っておられます。それに応えて広島教区でも、この準備段階の応答プロセス(世界シノドス事務局からの質問に対する教区における分かち合いと回答プロセス、2021年11月~2022年4月)をおこなっています。

 各小教区・修道院は、司教通知文書「「世界シノドスの準備のためのお願いと質問票」(教区⽤フォーム)の送付について」(2021 年 10 ⽉ 25 ⽇付)を再確認し、分かち合いと回答をお願いします。なお、回答期限は2022年1月末日です。

 また小教区内の活動グループに参加を呼びかけた結果、世界シノドスへ参与する活動グループがありましたら、世界シノドス準備チームへお知らせください。準備チームが世界シノドスの「質問内容と回答フォーム(Googleフォーム)のアドレス」を電子メールで各活動グループへ直接お知らせします。

「質問内容と回答フォーム」を希望する活動グループの代表者は「広島教区 世界シノドス準備チーム:hiroshima.diocese.bureau@gmail.com」まで、フォーム等の送信先メールアドレスをお知らせください。

 その他世界シノドスに関するお問い合わせは、

 平和の使徒推進本部 E-メール:pcaph@hiroshima.catholic.jp

 TEL.082-221-6613/FAX.082-221-6019(月・木・金9:00~17:00)

 までお願い致します。

核兵器禁止条約発効1年目の振り返り

 来年の核兵器に関する動きはアメリカ・ニューヨークで2022年1月4日から開催予定の「核兵器の不拡散に関する条約(NPT条約)再検討会議」ではじまりそうです。この会議は核兵器が今後どう取り扱われていくのかを占う上で大事な会議です。しかしコロナ感染症の再拡大が懸念され、その影響により会議への出席者が制限されたり、派遣中止のニュースが報道されており、成果のある会議になるか注目が必要です。

 さてその一方、2021年の核兵器に関するニュースはどうであったか、主な出来事、新聞記事や雑誌等の記事見出しで振り返っていきましょう。

  1月 2日 イランがウラン濃縮20%意向 IAEAに通知 中東の緊張激化必至(毎日新聞)
  1月22日 核兵器禁止条約正式発効
  1月27日 米ロ首脳新START延長原則合意 唯一の核軍縮枠組み維持(時事通信)
  1月28日 人類滅亡まで「100秒」 「終末時計」前年と同じで過去最短(読売新聞)
  2月 3日 イランがウラン濃縮開始 地下施設で高性能遠心分離機を稼働 IAEAが報告(毎日新聞)
  2月 9日 米空軍、ノルウェーにB1爆撃機配備へ ロシア牽制(CNN)
  3月16日 英の保有核弾頭、上限180発から260発に引き上げ(朝日新聞)
  3月22日 日本は核禁条約署名・批准を 署名活動 被爆者団体が始める 広島(中国放送)
  4月 6日 バイデン政権の「核先制不使用」、加藤長官が懸念表明(読売新聞)
  4月 7日 イラン、高濃度ウラン57キロ 製造加速、核合意で揺さぶり(時事通信)
  6月15日 広島城そばから最大級の被爆遺構 スタジアム建設予定地(朝日新聞)
  6月17日 米ロ首脳が初会談「核戦争の脅威軽減」などの共同声明発表(TBS)
  8月 5日 日本はオブザーバー参加を 核禁条約討論会で一致 与野党議員(時事通信)
  8月 6日 広島原爆の日
 10月 6日 米保有の核弾頭3750発 1962年以降で最少(時事通信)
 10月 9日 松井広島市長 核兵器禁止条約締約国会議への参加を首相に要望(広島テレビ)
 10月15日 「核禁条約署名を」77.4% 日本被団協 国会議員703人アンケート 回答率は3割 首相も答えず(中国新聞)
 10月17日 音速の5倍以上で飛行する「極超音速兵器」、中国が8月に実験…英紙報道(読売新聞)
 10月22日 米軍、極超音速兵器の実験に成功 中国やロシアとの開発競争が続く(朝日新聞)
 10月27日 被団協の坪井直さん死去、96歳 核兵器廃絶と被爆者援護に尽力(共同通信)
 10月28日 日本の核廃絶決議案、賛成増 採択も禁止条約言及なし 国連委(時事通信)
 10月30日 グローバル・ヒバクシャへの支援考える 長崎でワークショップ(朝日新聞)
 11月14日 核兵器廃絶へ向けて活動 ICAN川崎哲さん谷口清平和賞を受賞(テレビ新広島)
 11月25日 新政権発足のドイツ 核兵器禁止条約会議にオブザーバー参加へ(NHK)
 12月 2日 米、核禁止条約「役に立たぬ」オブザーバー参加方針のドイツをけん制(毎日新聞)
 12月11日 核禁条約「育てるのは若い世代」高校生平和大使 長崎市長に決意(長崎新聞)

主な教会暦(主日を除く)

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掲載日2021年12月30日
更新日2021年12月30日
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