8月3日 加藤 信也 神父(祇園カトリック教会,2014年8月6日確認)
カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和
キーワード(索引語): ミサ説教,広島司教区内小教区,祇園教会,祈り・福音の教え・信仰教育
最終更新日:2014年8月6日
祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「8月3日 加藤 信也 神父」が更新されました。
説教本文
私が祇園教会に着任して4か月が経ちました。その間、この聖堂で2つの結婚式が執り行われました。 結婚式の中心は新郎新婦の「誓いの言葉」です。2人がこれを唱えた後、司祭は、2人の結婚が成立したことを宣言し、「神が結ばれたものを人が分けることはできない」と言います。こうした考え方は、マタイによる福音書第19に記された離縁に関する議論の中で示されてします。
若い2人にとっては、お互いがお互いを選んだ、自分たちは自分たちの意思で結婚した、そんな思いが強いかも知れません。しかし聖書は、「神が結ばれた2人」という考え方を提示しています。2人を結びつけたのは神である。それだけではない。すべての物事の裏に、いつも働いている神がいる。神がそれを行ったのだ、という考え方です。
それはさておき、皆さんは次のようなケースに遭遇した時、どう思われるでしょうか。今日、ミサが終わって家に帰る。お昼ごはんの時間になる。しかしテーブルの上にごはんは準備されていない。出てくる気配すらない。こんな時、何を感じるか。特に男性の皆さんからは、「お~い、飯」という声が聞こえてきそうな気がします。
その裏には、「食事を準備するのは妻、母の仕事だ」という考え方、役割意識があります。これは僕自身にも当てはまります。我が家は母親以外は全員男でした。食事の支度、掃除、洗濯、その他諸々……、黙っていても皆、母がやってくれるものだと思い込んでいました。
では、聖書の世界ではどうなのか。先ほど歌った答唱詩篇の言葉を思い出してください。『命あるすべてのものに 主は食物を恵まれる』。これは詩篇145から取られています。有名な答唱詩篇23番にも、次のような言葉があります。『主はわれらの牧者 私は乏しいことがない』。この2つの詩篇が語っているのは、「我々に食べさせる存在、それは神である」という考え方です。聖書の世界では、守るのも食べさせるのも神さまの役割なのです。
これからミサの中でも唱える「主の祈り」は、前半は神についての祈り、後半が人間についての祈りとなっています。そして後半の一番最初に来るのは、「私たちの日ごとの糧を 今日もお与えください」という祈りです。「衣食住」と言いますが、我々の生活の基本はまず、食べることです。
昔、「お客様は神様です」と言った歌手の方がおられましたが、いつも食べさせてくれる奥さんや母親に対して「神様です」と言う男性の方、どれくらいいらっしゃるでしょう。女性の皆さんの中で、「私は家庭で神様のように敬われています」という方は、どれくらいおられるでしょう。広島教区、そして祇園教会の年度のテーマは「家庭・家族」です。家庭・家族って何なのか。ともすれば大切なことを忘れていまっているのではないか。もしもそうであるなら、思い起こせばいい。脱線しても、立ち戻ればいい。
今日の福音朗読でイエスは空腹の群衆を満腹にしました。群衆に食べさせた。その時、群衆は「食べさせるのは神の仕事である。今私たちを満腹にさせたイエスは、本的に神と一緒だということに気づいたのです」。
マタイ福音書25章では最後の審判のことが語られます。終わりの時、「人の子」は、あなたは右(天国)に、あなたは左(地獄)に、と人々を分けられます。その2つに分ける基準をイエスははっきりと、しかも具体的に示しておられます。それは「飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気の時に見舞い、牢にいたときに尋ね」ることです。これが天の国に受け入れられる条件です。長年にわたって家族にごはんを食べさせてきた女性の方たちにとっては、なかなかうれしい言葉かもしれません。そこで、私たち「食べさせたもらってきた」側の男性も、ここで考えてみる必要がありそうです。家族について考え、過ちに気付いたなら軌道修正する……。
本年度のテーマ、家庭・家族について思いながら、この一年を、実り多いものとできるよう祈りましょう。
この説教本文は
平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。
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掲載日 | 2014年8月6日 |
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更新日 | 2014年8月6日 |
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推進・区分 | 第1の柱:平和 |
タグ(索引語) | ミサ説教広島司教区内小教区祇園教会祈り・福音の教え・信仰教育 |
編集者 | web管理者(竹内) |
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