3月16日 S.オチョア神父(祇園カトリック教会,2014年3月18日確認)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和

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最終更新日:2014年3月18日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「3月16日 S.オチョア神父」が更新されました。

説教本文

四旬節は、私たちがご復活を迎えるにふさわしい信仰の心を持って過ごす時です。

聖書では、信仰はしばしば「道」として定義されます。信仰とは、神さまのみ旨に沿って正しく人生を歩むことです。

ご存知のように最初の人間であるアダムとエバは楽園にいました。そこには何の苦労も心配もありません。でも彼らは罪によって楽園から追放されます。こうして人間は一つのところに安住することなく、生きている間、歩み続けることになりました。

出エジプト記にも、同じモチーフがあります。ユダヤの民はエジプトで奴隷の状態に置かれていました。現代に生きる私たちも「富の奴隷」となってしまうことがあります。奴隷の状態から逃れるために、ユダヤの民は砂漠を歩き続けました。人々は「約束の地」がどこであるかも知らず、歩き続けました。

今日の第一朗読はアブラハムの物語でした。

「あなたは生まれ故郷 父の家を離れてひわたしが示す地に行きなさい」。

こう神さまから言われ、アブラハムは旅に出ました。その時彼は、「どこに行けばいいのですか」と神さまに尋ねませんでした。

アブラハムはウル(現在のイラク南部)で、豊かな遊牧民の家に生まれました。広い土地、沢山の家畜、大勢の雇い人に囲まれ、満ち足りた生活をしていたのです。ただ一つ、跡継ぎに恵まれないことを除いては。そんな彼が、神さまの呼びかけに従い、すべてを捨てて旅に出たというのは、考えられないほどすごいことです。

また神さまはアブラハムに次のように言われました。

「あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう」。

年老いたアブラハムと妻サラとの間に子どもが生まれるなど、考えられないことでした。しかしアブラハムは神さまの言われる通りに旅に出て、神さま言葉を信じ続けました。神さまの呼びかけに100%応える。だからアブラハムは「信仰の父」と呼ばれるのです。

さて、今日の福音朗読では、イエスさまご変容が語られます。イエスさまもアブラハムと同じように、故郷、母マリアのもとを離れ、旅に出て、神の国の訪れを宣べ伝えます。その旅の始まりに、イエスさまは洗礼者ヨハネから洗礼を受けます。その時も、今日の福音朗読と同じように、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が天から聞こえました。その言葉通り、イエスさまは与えられた杯を飲み(使命を受け入れ)、十字架の死に至るまで、神さまのみ旨に忠実であり続けました。

このようなイエスさまに対して、ユダヤの支配階級、律法学者、ファリサイ派たちは激しい敵意を抱きます。またイエスさまに従っていた人々も、イエスさまが捕らえられ、殺されそうだと分かると、離れていきました。それがわかっていたからこそ、ご自分が神さまのみ旨に従ってさらに歩み続けなければならないと分かっていたからこそ、イエスさまは「人の子が死者の中から復活するまで、今見たこと(ご変容)をだれにも話してはならない」と弟子に命じました。

しかしペトロやヤコブ、ヨハネにはそんなイエスさまの真意が分かりませんでした。そして「仮小屋を立てましょう」と言います。「仮小屋」とはつまり、「休む場所」、もう歩かなくてもいい、ということです。しかしイエスさまは歩かなければならないことをご存知でした。

今、私たちも四旬節の道を歩んでいます。その道は十字架の死によって終わるものではありません。信仰に生きる者の目には、十字架の死の先にあるご復活されたイエス・キリストという「目的地」が見えるはずです。信仰とは、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」という神さまの呼びかけを心から受け止め、受け止めるだけでなく、それに従うことです。私たちは神さまの呼びかけに信頼し、生きている限り、信仰の道を歩み続けます。

ヘブライ人への手紙にこう書かれています。

―信仰によって、アブラハムは、試練を受けたとき、イサクを捧げました。(中略)アブラハムは、神が人を死者の中から生き返らせることもおできになると信じたのです。」(ヘブライ人への手紙11:17-19)

私たちも、イエス・キリストを信じる、キリストに「賭ける」、そのような信仰を持ちたいと思います。人生の旅には、恐れ、困難、失敗、病や天災などの苦しみがあります。しかし信仰の道を歩むことによってこれらを乗り越え、またこうした苦しみを通して、神さまに心を向け直し、「約束の地」、永遠の命、神さまの憩いにたどり着けるよう、みんなで祈りましょう。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

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掲載日2014年3月18日
更新日2014年3月18日
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