2月23日 山根敏身神父(祇園カトリック教会,2014年2月24日確認)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和

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最終更新日:2014年2月24日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「2月23日 山根敏身神父」が更新されました。

説教本文

侍者をしてくれているの3人の男の子たちに質問します。

今日の福音朗読でイエスさまは、「悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と言われています。今の時代に当てはめるなら、「いじめ」ということが思い浮かびます。君たちは、いじめられたらどうしますか?

(子どもたちの答え)
―逃げる
―家に帰る
―やり返す

ある人が子どもの頃に、喧嘩をしたそうです。相手はその学年で一番強いと思われていた男の子でした。ところが、その人は、一番強いと思われていた男の子に勝ってしまったんですね。その人は後で同級生たちから、負けた男の子が一人で家に帰ってしまったと聞かされたんです。その人は、心が重くなって、何か悪いことをしたなぁ、という思いがずっと続いたそうです。

いじめ、難しい問題ですね。昨年10月頃の新聞に、こんな記事が載っていました。親から「やられたら、やり返してもいい」と教えられた子どもは、いじめの被害者、あるいは加害者になる割合が高いんだそうです。これはお父さん、お母さんにとっても大きな問題ですね。その記事によると、「やられたら、やり返してもいい」と教える親は、子どもに強い心を養ってほしいという気持ちから、そういう風に言うのだそうです。やられたら、やり返す、やり返されたら、またやり返す……。「倍返し」。そうやって争いが繰り返される。一方で、「いじめられそうになったら逃げなさい」と子どもに教える親もいるそうです。その記事の二週間後、「やり返す強さは必要か」という記事が掲載されました。その記事では、親に「やり返せ」と言われると、「やり返せない」優しい子は追いつめられてしまう、とある心理学者が語っていました。

僕たちはイエスさまを信じています。だから「右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」というイエスさまの言葉に耳を傾けたいと思います。イエスさまは十字架で亡くなられる時、(イエスを十字架につけた人たちのために)「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」とおっしゃいました。また聖書に記された最初の殉教者ステファノも石で殺される時、イエスさまと同じように、(石を投げつける人たちのために)「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と言いました。

いじめなしで過ごせたらいいけれど、もし万が一、いじめにあいそうななったら、お父さん、お母さん、先生、まわりの人に助けを求めましょう。それからとても難しいことだけれど、いじめっ子のために、「いじめっ子に、優しい心、平和な心が与えられますように」と祈ってあげたいですね。

聖書のことばが、みんなの大きな支えとなり、イエスさまや弟子たちの模範がみんなの力になればと願います。今日のみことば、「右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」という言葉が持つ意味をみんなも考えて、「やりかえす」のではなく、優しい心を持てるよう、みんなで祈りたいと思います。

でも、このような話を聞いたある子は、いじめっ子に、「仲良くしようよ」と言ったそうです。すると今度は、その子がいじめられる立場になってしまった。それまでいじめられていた子も一緒になって、その子をいじめる側に回ったそうです。そんな話を聞くと、やっぱり、難しい問題だなあと思います。

ともかくまず大切なのは、自分だけで苦しむのではなく、お父さん、お母さん、先生、まわいの人に相談することです。重くて難しい話をしましたけれど、みんながんばって、一緒にお祈りを続けましょう。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

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