2月2日 山根敏身神父(祇園カトリック教会,2014年2月3日確認)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和

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最終更新日:2014年2月3日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「2月2日 山根敏身神父(祇園カトリック教会)」が更新されました。

説教本文

今日、私たちは一緒に「主の奉献」をお祝いしています。今日の福音朗読(ルカによる福音)は、私たちに色々なメッセージを伝えています。その中から特に二つのことについて分かち合いたいと思います。

イエスさまの奉献は、モーセの律法に従って行われました。レビ記にこう記されています。

―男児もしくは女児を出産した産婦の清めの期間が完了したならば、産婦は一歳の雄山羊一匹を焼尽す献げ物とし、家鳩もしくは山鳩一羽を贖罪の献げ物として臨在の幕屋の入り口に携えて行き、祭司に渡す。(レビ記12:6)

このイスラエルの掟に従って、ヨセフとマリアは神殿に詣でました。「一羽の家鳩もしくは山鳩」という言葉は貧しさを暗示しています。そしてイエスさまはユダヤの人々と全く同じように神殿に捧げられたのです。

奉献にあたって、シメオンとアンナが挨拶に訪れます。彼らはイスラエルの救済を待ち望んでいました。この二人が賛美の祈り捧げます。

シメオンの祈りは次の通りです。

「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり
この僕を安らかに去らせてくださいます。
わたしはこの目であなたの救いを見たからです。
これは万民のために整えてくださった救いで、
異邦人を照らす啓示の光、
あなたの民イスラエルの誉れです。」

イエスさまは、イスラエルだけでなく全世界を救う、ということを神さまはシメオンの口を通して告げ知らせで下さいました。さらにシメオンは母マリアに重要なことを語ります。

「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。    ―あなた自身も剣で心を刺し貫かれます― 多くの人の心にある思いがあらわにされるためです」。

イエスさまの生涯、十字架の死と復活のメッセージが、「主の奉献」には込められているのです。

そこで皆さんと分かち合いたいことの一つ目は、「倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。    ―あなた自身も剣で心を刺し貫かれます― 多くの人の心にある思いがあらわにされるためです」という言葉です。

イエスさまは私たちにさまざまな教えと模範を示されました。それらをどのように受け止めるのか、どう応えるのか、そのことが私たち一人ひとりの「心の思いをあらわにする」のです。

この朗読個所を聞いて思い浮かぶのは、十字架のもとに立ち尽くす母マリアの姿です。マリアさまはの悲しみは、どれほどのものだったでしょう。一方でまた、マルコによる福音書の次の箇所も思い浮かびます。

―イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここのわたしの母、わたしの兄弟がいる。神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」(マルコ3:33-35)

この言葉を聞かれたマリアさまの思いはどのようなものだったでしょう。マリアさまは天使から「お告げ」を受けた時、「御心が行われますように」と言われました。母の思いではなく、神さまの御心を実行すること。これがマリアさまの「選び」でした。

ヘブライ人への手紙に次のような言葉があります。

―神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができるからです。(ヘブライ人への手紙4:12)

主の言葉は、私たちの心を刺し貫く。イエスさまの言葉と模範をどう受け止めるか。その時、私たち自身も剣で心を刺し貫かれます。マリアさまは神さまの御心に従いました。私たちも、日々の生活の中で、神さまの御心にかなう「正しい選び」ができるよう祈りたいと思います。

二つ目に分かち合いたいことは、「奉献」です。私たちはこのごミサの中で祈りをお捧げしています。最後の晩餐でイエスさまが命じられたように、永遠の命の糧であるパンと、罪の赦しとなる永遠契約の血をいただきます。私たちはミサの中で、イエスさまご自身を奉献しているのです。

申命記にこうあります。「空の手で主の御前に出るな」。私たちも、自分自身、その生活と労苦の全てを捧げる心で祈りたいと思います。この一週間、さまざまな「選び」の場面に直面する時、みことばに従ってとるべき道を選べるように、そして喜びや悲しみのすべてを、イエスさまの奉献にあわせて捧げられるよう、そんな心でごミサを続けましょう。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

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