1月19日 山根敏身神父(祇園カトリック教会,2014年1月20日確認)

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最終更新日:2014年1月21日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「1月19日 山根敏身神父(祇園カトリック教会)」が更新されました。

説教本文

先ほど私たちは、答唱詩編で「神のみむねを行うことは わたしの心の喜び」と歌いました。私たちは生涯を通して、神のみむね、みこころを果たしていきます。信仰の道は、このことに要約できると思います。今日の3つの聖書朗読では、神さまから呼ばれること、召命、みむねを果たすとはどのようなことかが語られていました。

最近、私が「はまって」いるのは、坂村真民という仏教詩人の詩です。書道展などに行くと、坂村真民のことばを揮毫した作品をよく見かけます。その言葉に心惹かれ、彼がどんな人物なのかを調べてみました。坂村真民さんは満州で先生をした後、愛媛県に移住して高校の国語の先生をつとめながら詩を作り、砥部という町で永眠されました。「念ずれば花開く」という詩を知っている方もおられるでしょう。その真民の詩に、次のようなものがあります。

生きることは 自分の花を咲かせること
風雪に耐え  寒暑に耐え
誰のものでもない 自分の花を咲かせよう

生きることは  神仏の使命を果すこと
生まれてきた者には 必ず何かの使命がある
それを見出して 為し遂げよう

生きているのには必ず意味がある。果たすべき使命がある。おりしも今日は大学入試センターの試験日です。受験生の皆さんは、自分に与えられた役割、使命を果たす、その可能性を拓くために、懸命に試験に臨んでいることでしょう。そして私たち一人ひとりも、神さまから与えられた使命を果たしていかなければなりません。

第一朗読では、イザヤ書の中の「主の僕の歌」と呼ばれるも4つのものの中の2番目の箇所が読まれました。

わたしはあなたを僕として
ヤコブの諸部族を立ち上がらせ
イスラエルの残りの者を連れ帰らせる。
だがそれにもまして
わたしはあなたを国々の光とし
わたしの救いを地の果てまで、もたらす者とする。

紀元前6世紀、イスラエルの民は国を滅ぼされ、バビロニアで捕囚の身となりました。 イスラエルの残りの者を連れ帰らせること、 わたし(神さま)の救いを地の果てまでもたらすこと、これが「主の僕」の使命です。

「主の僕の歌」の4番目(イザヤ52-53)では、「主の僕」は、わたしたちの病、痛みを負い、わたしたちの背きのために刺し貫かれ、多くの人の過ちを担い、背いたもののために執り成しをする使命を担うものとされます。これをイエスの弟子たち、私たちは、イエスさまが十字架の死によって私たちの罪をあがない、神さまに結ばれたものてしたくださったのだと理解します。

第二番朗読では、パウロの「コリントの教会への手紙」が朗読されました。ユダヤの伝統を墨守し、イエスの弟子たちを迫害していたパウロは、イエスさまの声を聞き、回心します。そして「わたしがあなたに現れたのは、あなたがわたしを見たこと、そして、これからわたしが示そうとすることについて、あなたを奉仕者、また証人にするためである。わたしは、あなたをこの民と異邦人の中から救い出し、彼らのもとに遣わす(使徒言行録26:16-17)」というイエスさまの言葉に従い、異邦人に福音を宣べ伝えるという使命を全うしました。

福音朗読では洗礼者ヨハネのことが語られました。洗礼者のヨハネの使命は、「主の道を整え、その道筋をまっすぐに」すること、救い主が福音を告げ知らせるために準備することでした。

私たちも、一人ひとりが自分に与えられた使命に忠実に生きるものでありたいと思います。とりわけイエスさまに結ばれている私たちは、洗礼式の時、イエスさまから与えられた使命、すなわち王職、祭司職、預言職としての役割を忠実に果たしていきたいものです。

イエスさまは病人を癒す時、「あなたの罪は赦された」と言われました。身体の病気の癒しよりももっと大切なこと、それは心の清めであることを、この言葉によって示されたのです。

この世界では、さまざまな惨事が起きます。紛争や地震・台風などによって故郷を追われた人々にとって、バビロンに捕囚されたイスラエルの民の嘆きの中から涌き出す希望の言葉が大きな心の慰めとなることを願います。イエスさまが約束して下さる永遠の命が、大災害で大切な家族、愛する人を失った人の悲しみを癒す糧になることを願います。巨大な経済のうねりに翻弄され、犠牲を強いられている人々もいます。ともすれば、お金がすべてという風潮に流されがちな現代社会において、お金よりも心の絆こそ大切である、とイエスさまは教えてくださいます。このように神さまは私たちに、いつもさまざまなメッセージを送って下さいます。このメッセージにいつも耳を傾けながら、神さまから与えられた使命を生きる者、イエスさまから呼ばれている者として、喜びのうちに人生を歩んでいきましょう。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

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