12月15日 山根敏身神父(祇園カトリック教会,2013年12月16日確認)

カテゴリー(記事区分): 教区取組 / 推進本部取組 / 第1の柱:平和

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最終更新日:2013年12月16日

祇園カトリック教会ホームページ(ブログ)「12月15日 山根敏身神父(祇園カトリック教会)」が更新されました。

説教本文

今日のミサ中、「共同回心式」が行われます。そこで「回心」という視点から、今日の聖書のみことばを味わってみたいと思います。

福音朗読では、洗礼者ヨハネのことが語られていました。

『見よ、わたしはあなたより先に使者を遣わし、
あなたの前に道を準備させよう』

洗礼者ヨハネはイエスさまが来られる前に現れ、回心を呼びかけました。イスラエルの人々の中には、ヨハネの呼びかけを聞き、心を改める人、神さまからの呼びかけに心を開く人もいました。また一方で、神さまからのメッセージを聞き流し、従来通りの生活に埋没する人もいました。

私たちはどうでしょう。この洗礼者ヨハネの出来事を、今の時代に当てはめてみましょう。私たちにも色々の「しるし」が与えられています。このミサの集会祈願で、私たちは次のように祈りました。

―今こそわたしたちの目を開き、やみに輝く光に気づかけてください。わたしたちの耳を開き、あなたの呼びかけに従う者としてください。

今から35年位前、私は山口地区青年連合の担当司祭を務めていました。年に1回、各教会から青年の皆さんが集まり、話し合うのですが、ある年の話し合いのテーマは次のようなものでした。
・生命倫理。当時、「試験管ベビー」といった言葉が生まれていました。
・環境汚染。水俣病などの問題。
・アパルトヘイト。
12月5日、南アフリカのマンデラ元大統領が亡くなりました。12月10日の国葬には、アメリカからはオバマ大統領に加え、ブッシュ、クリントンという二人の大統領経験者も参列しました。世界各国からも、数多くの国家元首が参列し、葬儀が営まれました。それはマンデラ氏が身をもって示した人権に対する思いが、世界中の人たちを感動させたからでしょう。27年間獄中にあった間、マンデラ氏といえども心が折れかけたこともあるはずです。それを乗り越えてマンデラ氏が呼びかけ続けた、人間にとって大切なこと、自由、平等を求める思いを、世界中の人は真摯(しんし)に受け止めました。

残念なことに、35年前の私は、ニュース等を通じてアパルトヘイトというものを一つの知識としては知っていた。しかしそれが人間の根本に関わる問題であることを、深く理解してはいませんでした。そのことを思い出す時、先ほどの集会祈願のことば、「こそわたしたちの目を開き、やみに輝く光に気づかけてください。わたしたちの耳を開き、あなたの呼びかけに従う者としてください」という祈りが、胸に迫ります。

さて、私たち自身は、神さまからの呼びかけに、どう向き合っているでしょうか。先ほど歌われた答唱詩編には、次のような美しい言葉があります。

―神はとこしえにまことを示し、
貧しい人のためにさばきを行い、
飢えかわく人にかてを恵み、
捕われ人を解放される。

私たちは「貧しい人」でしょうか。貧しいとすれば、何に関して貧しいのか。何に気づいていないのか。私たちが日々の生活を送る上で、何に捕われているのか、何に渇き、何に捕われているのか―。日本の政治状況、国際情勢などを見るにつけ、「しるし」に気づき、これから先を見通す目が問われているのを感じます。また、身寄りのない人、孤独な人がいます。先日のニュースでは、身寄りのない人たちが共同生活を送っていることが報じられていました。私たちは、周りの人たちに対して、どれほど心を配れているでしょうか。ここからも、大きな反省の視点が与えられます。さらに、私たちの家族について考えてみると、亡くなった家族の献身的な愛に支えられて生きてきたこと、今現在、家族の愛の中で生きていることに対して、どれだけ感謝の思いを抱いているのか、また私たち自身が家族や友人、周囲の人々に対して思いやりを持って接しているだろうか、という反省の視点が見いだせると思います。

これから告解の秘蹟をいただく、ただそれだけでなく、この告解を、自分が何者であるのか、どのような生き方をすればいいのかを見いだす機会にしていただけたらと願っています。

この説教本文は

平和の使徒推進本部が祇園カトリック教会主任司祭から転載の許諾をもらっています。

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